若手公務員の退職者が10年で3.2倍に増えた背景とは?

【データで見る現状】若手公務員の退職者が10年で3.2倍に増えた背景とは?統計から読み解く実態 キャリア・転職
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公務員を辞めたいと感じるけれど、世間一般では『安定を捨てるなんてあり得ない』と言われる。実際のところ、今の公務員の退職や離職の現状はどうなっているのだろう?

この記事では、総務省の地方公務員の退職状況等調査など、国の公的な最新データを基に、公務員の自己都合退職の推移やその理由を淡々と解説します。公務員の退職者の現状が分かります。

こんにちは、30代で地方公務員から民間IT企業へ転職したダイです。世間ではいまだに終身雇用のイメージが強い公務員ですが、国の統計を読み解くと、組織の内部では変化が起きていることが分かります。元職員としての実体験を交えながら、客観的な事実をお伝えします。

総務省データが示す地方公務員の「普通退職者数」10年の推移

国の統計データによると、主に自己都合による退職を指す地方公務員の「普通退職者数」は、この10年で2倍以上に増加しています。

総務省が公表している地方公務員の退職状況等調査によると、地方公務員一般行政職の普通退職者数は平成27年度の5,696人から、令和6年度には16,248人へと増加しています。特に20代・30代の若手層では3.2倍となっており、若年・中堅層の退職が顕著に増加しています。

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私自身が自治体に在籍していた期間中も、次代を担うはずの20代や、中心となって業務を回す30代の同僚が、年度途中で静かに組織を去っていくケースが年々増えているように感じていました。当時は『自分の周りだけか?』と思っていましたが、こうしてデータで見ると全国的な傾向だったのだと納得させられます。

したがって、「公務員は定年まで辞めない」というかつての前提は、現在の統計データを見る限り大きく変化していると言えます。

公表資料から紐解く、公務員が職を辞す3つの構造的理由

若手・中堅の地方公務員が退職を選択する主な背景には、自治体や地域シンクタンクの調査からも「業務量の増加(過多)」「待遇への不満」「キャリアの停滞感」という3つの構造的要因が浮かび上がっています。

本の公務員比率はOECD加盟国の中でも極めて低い水準にあります。限られた職員数の中で、近年は複雑化する住民ニーズやDX対応、頻発する災害対応など、地方自治体の現場の業務量は増加の一途をたどっています。自治体職員を対象とした各種意識調査(山梨総合研究所などの地域シンクタンクや地方自治体の若手アンケート等)でも、「業務量の多さ」や「前例踏襲の年功序列と責任の重さのバランス」「外で通用するスキル蓄積への不安」が上位に挙がっており、組織の求める役割と個人の価値観の乖離が示されています。

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私の経験からも、自治体の業務は新しく増えるものは多くても、既存の業務が減ることはあまりありませんでした。連日遅くまで残業する一方で、どれだけ業務を効率化して成果を出しても給料は一律の年齢順。『自分のスキルや市場価値はここで上がっているのだろうか』という焦りを日々感じていました。

  • 成果が反映されにくい年功序列の給与体系
  • 組織外で通用する専門スキルが身につきにくい環境

これらの要因が絡み合い、自己都合退職を選択する地方公務員が増えているのが現状です。

民間企業との比較から見る地方公務員の安定

民間企業の平均離職率と比較すると、地方公務員の離職率は依然として低い水準を保っていますが、雇用の安定が必ずしも個人のキャリアの安定を意味しなくなっています。

厚生労働省の調査等によると、民間企業の正規雇用の離職率は年間約10%前後で推移しており、地方公務員の一般行政職の普通離職率(約1%~2%)よりも高いです。したがって、倒産や解雇のリスクが極めて低いという点において、地方公務員の安定性は依然として強固です。しかし、数年おきの定期異動(通称:異動ガチャ)による職務内容の変化や、専門性が寸断されるリスクといった、中長期的なキャリア形成における不確実性が、転職が当たり前になった世の中の価値観と乖離しつつあります。

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身分が保証されている安心感は、確かに公務員メリットです。しかし、数年おきの定期異動によって経験がリセットされ、また一から新しい業務(税務から福祉、福祉から土木など)を覚え直すことの繰り返しに、『30代、40代になったとき自分には何が残るのか』というキャリアの不安を感じていました。組織の安定と、個人の安定は別物だと考えていました。

倒産リスクがないという意味での組織の安定は健在であるものの、個人のキャリアにおけるリスクをどう捉えるかによって、現在の地方公務員の環境に対する見方は分かれると言えます。

まとめ:客観的な事実を知り、これからの生き方を考える

地方公務員の退職・離職に関する国の統計データと、現場の現状を解説してきました。世間が抱くイメージと、実際に数字として現れている実態には、少なからずギャップがあるかもしれません。

  • 総務省のデータ通り、20代・30代地方公務員の普通退職者数は10年で3.2倍に急増している
  • 主な退職背景には、多様化する業務過多、年功序列への違和感、キャリアの焦りといった構造的課題がある
  • 民間比較では、組織の安定性は高いものの、個人のスキルやキャリアの安定を重視して進路を模索する人が増えている

地方公務員として組織に残る道も、外の世界へ一歩踏み出す道も、どちらが正しいという正解はありません。大切なのは、周囲の意見や古いイメージに流されることなく、今回ご紹介したような客観的な事実を基にして、自分はどう生きたいかを選択することです。この記事が、あなたのこれからのキャリアを考える参考になれば幸いです。

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